石黒の感想文置き場

※個人の感想です

【映画】ウーマン・トーキング 私たちの選択【感想】

・ネタバレを含むので「知りたくない!」って方はご注意ください。
・前知識は出来るだけ入れたくないのであらすじさえろくに読まずに鑑賞するスタイルなので的外れな感想になっていると思いますがあくまで個人の感想なのでその辺ご容赦ください。

『ウーマン・トーキング 私たちの選択』
公開日:2023.6.2
鑑賞日:2023.6.7
公式HP
https://womentalking-movie.jp

【感想】
劇場で予告を観た時から興味を持ち公開を待っていた作品でしたが、途中から「退屈だなー…ってかほんまにウーマンがトーキングしてるだけやな…って時間無いのに呑気に歌ってる場合か?」と思ってしまうほどのらりくらりと堂々巡りの会話を聞かせられ続けるという苦行に何度も挫折しかけてしまった。
キリスト教一派(あそこまでいくとカルト教団とも思えるけど)のコミューン内で実際に起きた事件を元に書かれた小説の映画化だそうなので、キリスト教徒さんやキリスト教の知識を持つ方にはまた違った見え方・感じ方があるんだろうけど、個人的には舞台化の方が良かったんじゃないかな?って思う。

というのが鑑賞直後の感想。
その後いくつか感想動画を視聴したり拝読したりしていくうちに「もしかしてこの作品に込められたテーマは深いんじゃないか?」と思えてきてしまうのが映画の面白いところ←単に私に理解力が無い=頭が悪いせいなんだけども。

宗教と洗脳の怖さを感じつつ「私だったらどうするかな…」とあらためて考えると、赦すふりをして男達が全員戻ってきたことろで(戻ってきた順でも良いけど)牛用の鎮痛剤を掛けて眠らせてから埋めるかな←家ごと点火も考えたけど灯油やガソリンといったものはあの村には無さそうだし、いくら閉鎖的で隔絶された村とはいえ大火事になったらさすがに周囲にバレる\(^o^)/
国勢調査でーす!人数数えるからみんな出てきてー!なんて車が来るぐらいだから村人の数なんて把握されてないんだもの。少々村人が減ったところで分かりゃしねぇ←

国勢調査のくだりで謎だったのが国勢調査員(成人男性)に近付いて行った少女2人。
あの状況で、何ならあの2人もレイプ被害に遭っていただろうに何でわざわざ男性に近付いていったのか。何ならちょっと色目使ってない?楽しそうじゃない?眠らされて記憶が無いから男性に対して恐怖心とか無いのかな?劇中で「そういう行為を指す言葉が無い」みたいな台詞があったぐらいだし、レイプがどれだけ女性の尊厳を踏みにじる行為なのか、どれだけ女性にとって苦しいことなのか分かってない??

あと色々考えちゃうのが大学卒業して戻ってきた書紀係の男性。村に戻ってきた理由を「親に呼び戻されたから」とは言ってるけど『何歳以下の子だったら男性でも連れて行って良いのか会議』の時の様子から、個人的にはあの子も他の男性と同様に加害者なんじゃないかと思ってて。その時に孕ませて生まれた子があの村にいるんじゃないの?レイパー仲間が捕まった事を知って、その罪滅ぼしで戻って来たんじゃないの?
結果的に男性であるということに加えて教育係として村に残ることになったけど、良い感じになった女性に「君と子供は僕が養うよ」なんて言ったのはあの時は会議が何となく『赦す』方向だったからなの??
何にしろ彼にとっては罪滅ぼしにはなるんだろうけどなんかモヤる(・ัω・ั)2人で去ることも選択肢の1つとしてあっても良かったんじゃないの?(・ัω・ั)

この作品の舞台が2010年だということにも驚きだけど体は女性・心は男性の方が女性と一緒に去るシーンには「あんたも行くんかい!」ってなった。
村を去れるのは
・女性
・15歳以下の男性
・女性の助けが必要な人
この3つだから、この方は「女性の助けが必要な人」に該当するってことなの?
この方もレイプ被害に遭い心が壊れてしまった被害者だけど、体が女性であるという事に嫌悪感を抱き、男性として生きていく為に容姿を村の男性と同じにして名前も変えたわけでしょ?喋らないのは声で女性だとバレるのを避ける為でしょ?
とはいえ村の男性からしたら体は女性だし、いくら「心は男だ!」と主徴してもそんなの関係ないだろうからこの先地獄でしかないよな…って思ってたら「去る」を選択しててこれにもモヤッた(・ัω・ั)

色々モヤる作品ではあるけど、これもまたそれぞれの選択。
何世代にも渡ってコミューンで暮らしてきた彼女達にとって外の世界はどう映るんだろう。馴染めなくて再びあのコミューンに戻って来る人が出てきたとしても、それもまたそれぞれの選択よね。

【映画】アルマゲドン・タイム ある日々の肖像【感想】

・ネタバレを含むので「知りたくない!」って方はご注意ください。
・前知識は出来るだけ入れたくないのであらすじさえもろくに読まずに鑑賞するスタイルなのでその辺ご容赦ください。

アルマゲドン・タイム ある日々の肖像』
公開日:2023.5.12
鑑賞日:2023.5.16
公式HP
https://www.universalpictures.jp/micro/armageddon-time

【感想】
予告観て気になったのと、アンソニー・ホプキンスアン・ハサウェイが出ているという事で鑑賞。

主人公の白人の男の子は恐らくギフテッド。
80年代のアメリカ社会は今よりもずっと生きづらかっただろうし、お爺ちゃんもユダヤ人というだけで差別を受けた過去があるだけに、孫には自由に生きて欲しいという願いもあったのかもしれない。
応援し優しく孫を見守り続けたお爺ちゃんにほっこり(*´ω`*)

純粋すぎるが故に問題を起こしてしまう少年の言動が見ていてとても辛かった。
大人に反抗するけどそんな大人やエリートが作った社会やルールに縛られもすれば守られもする。
矛盾だらけの中でエリート街道に背を向けた彼が生きていけるのかちょっと心配。


ここであらためて『アルマゲドン』と『肖像』について調べてみた( ・ิω・ิ)
キリスト教アルマゲドン、ハルマゲドン◆新約聖書ヨハネの黙示録」16章16節に記述された、終末に行われる善と悪の最終決戦。
〔一般的に〕世界最終戦争、アルマゲドン、ハルマゲドン◆キリスト教用語から転じて、この世の破滅をもたらすほどの大規模な戦争を指す。
〔雌雄を決する〕決戦、大戦
https://eow.alc.co.jp/search?q=armageddon

しょうぞう【肖像】
絵画や彫刻において,現実の特定の人物の姿を写すことそれ自体を目的として作られた像をいう。
https://kotobank.jp/word/%E8%82%96%E5%83%8F-79463

そういえば少年が描いていた先生の絵もほぼ肖像画でした。下半身は鳥だったので、これもきっとキリスト教にあるペトロの話と繋がって皮肉を込めた絵だったのかもしれないなーなんて考えるとなかなか深い(・ัω・ั)

【映画】THE SUPER MARIO BROS. MOVIE【感想】

・ネタバレを含むので「知りたくない!」って方はご注意ください。
・前知識は出来るだけ入れたくないのであらすじさえもろくに読まずに鑑賞するスタイルなのでその辺ご容赦ください。

『THE SUPER MARIO BROS. MOVIE』
公開日:2023.4.28
鑑賞日:2023.5.16
公式HP
https://www.nintendo.co.jp/smbmovie/

【感想】
劇場で予告を観た時から面白そうだなーとは思っていたけど「とはいえゲームの映画化やろぉ~どうなんそれぇ~」と若干否定的でしたがマリオの声をクリス・プラット氏が担当されているとのことで2D字幕版で観賞。

ごめん、ナメてた。
凄い!すごく面白かった!!鑑賞後に「何かグッズが欲しい!」とコンセッションに行ってしまった程度にはハマってしまった!
マリオシリーズ、私は「マリオブラザーズ」と「スーパマリオブラザーズ」の2作品しかプレイしてないけど、そんな私でもお馴染みのゲーム音楽や効果音、コインや変身アイテムの登場にワクワクしたし、見知ったキャラが勢揃いしててとても楽しめた(*´ω`*)

映像がとにかく綺麗で毛(髪)の表現がエグい。特に水の表現は「これどうなってんの?実写??」ってなるぐらいリアル。技術の進歩ってほんとすごい(語彙力)。
そして音楽が素晴らしい!!地上、地下、海。それぞれの「面」でお馴染みのゲーム音楽が全てオーケストラアレンジになってて豪華。壮大なスケールでお届けされて感動すら覚えたw←サントラ出てるのかな?出てるなら欲しい。
音楽といえばクッパによるピーチに捧げるバラード『PEACHS』は良い曲だとは思うけどサイコパス\(^o^)/
そして地下。あの音楽を毎回クッパがピアノを奏でているのかと思ったら愛しくなった←「スーパーマリオブラザーズ」では毎回溶岩の中に落としてごめんよ(´;ω;`)

ピーチが用意したアスレチックにマリオが何度も失敗するシーンでは「あー…私もこんなだったわー…パックンフラワーに何度ヤられたか分からんわー…」なんてことを思い出したし、鳥籠のような牢に入れられ吊り下げられてるクリボーには「なんであんたがそこにいるのw」となりつつも「(スーパーマリオブラザーズの)1-1では世話になったね…」とちょっとスッキリしてみたりw
最後、スターを取った時は「よっしゃ!!いっけーーー!!」ってなるぐらい、熱中してプレイしていた子供時代に戻ったような感覚に陥ってた。

マリオとルイージによるエヴァ感溢れるダブル技に驚いたし、キラーを押し返そうとするシーンは「ν(ニュー)ガンダムかな?」ってなったし、氷は「エルサかな?」ってなったりもしたけど、ゲームの世界観を見事に映画に落とし込めていて実に楽しい作品だった(*´ω`*)

【映画】銀河鉄道の父【感想】

・ネタバレを含むので「知りたくない!」って方はご注意ください。
・前知識は出来るだけ入れたくないのであらすじさえもろくに読まずに鑑賞するスタイルなのでその辺ご容赦ください。

 

銀河鉄道の父』
公開日:2023.5.5
鑑賞日:2023.5.10
公式HP
https://ginga-movie.com/

 

【感想】
このテの映画は苦手というかまず鑑賞リストには入らないけど『八日目の蝉』『孤高のメス』の監督さんだということで鑑賞。

とりあえず3回泣いた。
原作は小説だそうなので史実とは違う箇所もあるだろうけどまず思ったのは「若い頃の賢治さんは世間知らずのヤベェ奴」だったけど、思い返せば私自身も若い頃は今以上に「世間知らずのヤベェ奴」だったので何も言えない\(^o^)/

トシさん(妹さん)がとにかく格好良い!「綺麗にタヒね!」と啖呵切るところは痺れたし演技が素晴らしい。
というかこの作品は出演陣の演技力や存在感がエグすぎる。才能がぶつかり合うととんでもない事になるんだなぁとあらためて思ったし、その場に流れる空気感や気温を含めた温度、匂いまで感じ取れるような映像作品に仕上げた監督さんも素晴らしいと思った。

【映画】TAR/ター【感想】

・ネタバレを含むので「知りたくない!」って方はご注意ください。
・前知識は出来るだけ入れたくないのであらすじさえもろくに読まずに鑑賞するスタイルなのでその辺ご容赦ください。

 

『TAR/ター』
公開日:2023.5.12
鑑賞日:2023.5.13
公式HP
https://gaga.ne.jp/TAR/

 

【感想】
ケイト・ブランシェットの演技が素晴らしく、ピンッと張り詰めた緊張感が続くのはオーケストラを舞台にしているからなのか。それとも上映中の時間さえもリディアにコントロールされていたからなのか←上映時間が2時間40分ってのも、もしかしたら実際のオーケストラコンサートの平均演奏時間なのかもしれないなーなんて事を思ったり。

そこそこ長い上映時間でありながら私には何を描きたかったのか・何を伝えたかったのが全く分からなかった\(^o^)/
養女(里子)が足を掴まれる事を嫌がるのは過去に虐待されていたからなのかな?とは思うけど迎え入れた経緯は謎だし、アシスタントの突然の失踪も謎。冒頭に動画撮影しながらチャットしてたのはチェロ弾きの女子だったんだろうけど相手は誰?ってかNYの夜はどこに行ったの?女性指揮者のとこか?とも思ったけど女性指揮者が亡くなったのはリディア達がNYに行く前だし何が何やらさっぱり。チェロ弾き女子の忘れ物のぬいぐるみを届けようとするシーンも謎だらけ。
謎だらけだけどリディアが徐々にオカシクなっていく過程というか夢(リディアが見ている幻覚?)と現実が曖昧になっていく感じは良かったし、とんでもないことが起きそうで起きなくて焦らされ続けた結果「は?(←実際に小さく声が出たw)」な終わり方なのがズルいよーニクイよー。

「なんかよう分からんかったけど良い映画だったな」って思えた不思議な作品。

【映画】デスパレート・ラン【感想】

・ネタバレを含むので「知りたくない!」って方はご注意ください。
・前知識は出来るだけ入れたくないのであらすじさえもろくに読まずに鑑賞するスタイルなのでその辺ご容赦ください。

『デスパレート・ラン』
公開日:2023.5.12
鑑賞日:2023.5.13
公式HP
https://desperate-run.jp/

【感想】
原題は『DESPERATE HOUR』だそうなので時折映るiPhoneの待ち受け画面に表示されている時間も注意して観ていればまた違った楽しみ方ができるのかも。

色んな意味で迷走・暴走し思いつくままに鬼電しまくり、多方面に電話も迷惑も“かけ続けた”母ちゃんの話だった。
あの状況でテンパってしまうのは分かる。心配で居ても立っても居られなくなるのも分かる。条件的にも「息子が犯人かも!」って勘違いしてしまうのも分かるしそこに輪をかけて警察から色々質問されて更に混乱するのも分かる。分かるんだけど…うーん…(語彙力)

銃社会への警鐘を鳴らす作品だったのかなーとは思うし過去に囚われ続けるのではなく今を生きる・今を生き抜くって方向に向かっていったのはハッピーエンドのようにも取れるけど、一つ引っ掛ったのは息子のこと。
記憶の上書き(特に負の場合)って同等かそれ以上の質量の物をぶつけないと出来ないと思ってるから『立てこもり事件の被害者』となったことで父ちゃんを亡くした悲しみから抜け出せた(他の事に目を向けることができた)のは良いことだとは思うけど、真犯人が分かるまでは母ちゃんからずっと疑われてたわけで…。そのことを知ったら息子はどんな反応するんだろう…。

ま、世の中知らないほうが幸せなことってあるよね(゚∀゚)

【映画】ウィ、シェフ!【感想】

・ネタバレを含むので「知りたくない!」って方はご注意ください。
・前知識は出来るだけ入れたくないのであらすじさえもろくに読まずに鑑賞するスタイルなのでその辺ご容赦ください。


『ウィ、シェフ!』
公開日:2023.5.5
鑑賞日:2023.5.10
公式HP
https://ouichef-movie.com/


【感想】
原題はLa Brigade、英題はKitchen Brigadeというらしい。そして何やらこれは軍隊用語らしい。キッチン=戦場と捉えると確かに軍隊。
でもこの作品では戦場ではなく施設にいる子供達にも分かるように、子供達が興味を示しているサッカーに置き換えてチーム編成を組んでいくところが面白い。
施設にいる子供達が料理に興味を示してからは授業内容を変えていくのも良い。
数学(というか算数?)も「5-x=3」は解けなくても数字の後ろにグラムを付けて「5g-x=3g」にしたらどんどん正解していくのが微笑ましいし、地理もチーズの産地と一緒に覚えていくのもとても良い。

主人公も良いキャラだけどあの女友達が最高。あんな友達欲しい。というかあんな女性になりたいまである。

移民問題はフランスだけでなく世界各国で起きている・起こり得ることだから他人事ではないんだけど、勝手に『天使にラブソングを』みたいな作品なのかな?コメディー寄りというか心温まるお話なのかな?と思っていた私にはあの着地の仕方は合わなかった。途中までは楽しく鑑賞できてただけにちょっと残念。
ハッピーエンドのようでいて決してそうではないけれど、希望の灯が見えるところは良かったし、テンポ良く展開していくから飽きない。そしてやはりあの女友達が良いスパイスになっていてこれがクセになる。

子供達がフランスに来た理由や事情は様々。法を犯しているとはいえ、施設にいる子達は皆素直で可愛いしそれぞれ将来に向かって進もうとする姿は何とかしてあげたくなる。でも現実はシビア。
色々と考えさせられる作品だった。